グローバルX社が運用するNASDAQ100カバード・コールETFのQYLDというETFをご存じでしょうか?
直近の配当利回りは驚異の11%です。キャピタルゲインを無視してオプション料を配当としてもらう。
これだけ高い配当利回りを出しておきながら,超危険な投資商品ではないようです。
しかしリターンが高い分、必然的にリスクも高くなりますので「QYLD」についてよく調べたうえで購入を検討しましょう。
以下に「QYLD」について内容をまとめていますのでご覧いただければと思います。
QYLD
下のチャートを見て欲しいんですが、オレンジが「QYLD」青が「QQQ」です。
株価自体は比較的落ち着いた値動きですし、設定来の株価と大して差はありません。設定日は2013年12月で25ドルでしたので値動きは安定しています。
端的に言うとインカムゲイン重視の投資商品のため株価上昇は期待できません。むしろ右肩下がりです。
コロナショックの暴落は「QQQ」と同じように下げを食らっていて「QQQ」は暴落前の倍以上の株価になっていますが、「QYLD」はいまだコロナショック前の株価にすら回復していません。
下のチャートを見るとQQQに投資した方が圧倒的に有利ですね。ただ配当金は毎月でインカムゲイン重視の投資家には投資する価値があるのかと思います。
グローバルX NASDAQ100カバードコールETF 特徴
概要
カバードコールの売りで利益を生み出そうとするもので、ナスダック100指数の株式を購入し、対応する同一指数のコール・オプションを売却します。
ファンドの目的
CBOE NASDAQ100指数-100・バイライト・V2・インデックスに連動する投資成果を目指します。
日本の証券会社で購入可能
SBI証券、楽天証券、マネックス証券、DMM.com証券で取り扱いがあり購入可能です。
カバードコールとは
大和証券の「カバードコール」の説明を引用します。
QYLDに投資するメリット
高配当&毎月分配
配当利回りは10%を超えています。直近の配当利回りは11.81%(2021.8.8時点)
ボラティリティが高い時期の方がより高い利回りが出せるようです。
分配金も毎月支払われます。配当金生活を目指している人にとっては検討の余地ありです。
過去のパフォーマンスは良い
過去5年の年利のリターンは11%を超えています。内容が難しい商品ですが、投資したくなります。
値動きも小さいので大きく株価が下落して含み損を気にする必要もないかもしれません。
ネット証券で購入可能
QYLDはSBI証券・楽天証券・マネックス証券・DMM.com証券から投資できます。
QYLDのデメリット
商品の内容が難しい
カバードコール・オプションを売るなどオプション取引を理解できないため、投資するのに慎重にならざるを得ない。
何かわからないものに投資すると損失を出す可能性がありますし、わからないものに投資するというのは投資の基本を無視した行為になりますので注意が必要です。
キャピタルゲインを狙った方がリターンが高い
QQQは株価上昇が続いています。インカムゲイン狙いのQYLDに投資するよりキャピタルゲインを狙った方が今はリターンが大きいです。
経費率が高い
経費率は0.6%とかなり高額です。SPYDやHDVが0.07%付近と考えると10倍近い経費率の高さです。
NASDAQ100のETFである「QQQ」でも0.2%です。
最後に
「QQQ」はかなり株価上昇が続いており、「QYLD」のパフォーマンスを大きく上回っていて「QQQ」の圧倒的勝利といった感じですが、今後長期金利の上昇でハイテク株にとって厳しい環境になる事を考えると、これから「QYLD」に投資するのはお勧めできないかもしれません。
なぜなら「QYLD」のようなカバードコール商品は、株価が安いから「買い」ではないからです。
カバードコール商品であるQYLDの買い時はナスダックが上昇トレンドの時であり、上昇基調になることでコールオプションを売ることができます。なのでナスダックが下降トレンドの時「QYLD」は「買い時ではない」といっていいと思います。
さらに「QYLD」は株価が下がると必然的に分配金も減少します。通常の株式であれば株価が下がっても配当金は変わりませんが、「QYLD」は株価が下がったら、下がったなりの分配金になりますので注意が必要です。
長期で運用する事が前提であればNASDAQ100の「QQQ」、全米の株式「VTI」やS&P500に連動する「VOO」で運用した方が無難と言えます。