人的資本を忘れるな
人がお金を得る為には、金融市場に金融資本を投じるか、労働市場に人的資本を投じるか、どちらかの方法しかありません。
私たちが生きている市場経済の社会ではすべての人が金融資本と、人的資本を市場に投資して生活を成り立たせています。
投資というと金融資本にばかり目が奪われがちですが、労働市場に人的資本を投資することも立派な投資です。
だからこそお金の為に食費を削って仕事をするということは間違っています。
自分の身体に適切に栄養を補給し、常に高いパフォーマンスを保って仕事ができるようにする。
人的資本で稼いだお金を人的資本に再投資することによって、複利の力を得ることができます。
特に若いうちは金融資本が少なく、人的資本が大きい場合が多いので、人的資本に再投資を繰り返すことによって効率的に収入を上げていくことができ、結果として金融資本を多く持つ事ができるようになります。
金融資本ばかりに目を奪われて、人的資本への投資を疎かにすることがないようにしましょう。
さらに人的資本を大きくすための方法として「人的価値をたかめる」という方法があります。
会社内だけで通用するスキルを磨くのではなく、一般的に通用するスキルを磨く必要があるんです。
今、転職したとして、同業他社がどんな待遇であなたを雇ってくれるか ?
これが人材市場での評価といえます。
まずは金融市場に参加する前に人的資本に投資を行いましょう。
買ってはいけない金融商品
大前提として株の予想は競馬の予想と同じで素人が適当に買っても儲かる事はあるし、プロが運用するファンドでも時には大損するものです。
つまりこれさえ買っておけば大丈夫というような金融商品は存在しないことになります。
株主優待
株主優待は経済学的に全く不合理であるということです。
海外在住の外国人株主や、ファンドを通じて保有している個人株主は恩恵をうけれないんです。株主平等の原則に反するので海外株主が多い優良企業は原則として株主優待を行っていないんです。
また個人投資家の囲い込みを目的に広告宣伝の一環として株主優待を行っているケースが多く、個人投資家に優しい会社がパフォーマンスの高い会社である保証はどこにもないからです。
結局のところ購入した株の株価が下がってしまえば元も子もないわけで飲食店や旅行会社の優待券をもらって気分的には得をしたような気になるかもしれませんが、損をしてしまう結果に繋がってしまいます。
毎月分配型ファンド
毎月分配型ファンドは年金受給の足しになるとしてシニア層に人気の投資商品です。
しかし投資というのは長期で運用して、複利の力を働かさなければ意味がないんです。
複利の力を使うためには、投資で儲けたお金は引き出すことなくまた投資に回す「再投資」という手法を使う必要があります。
しかしこの毎月分配型ファンドというのは、「毎月毎月ちょこちょこと投資で儲けたお金を引き出す」という形式をとっている為に、複利の力を全く生かすことができないのです。
資産運用型の生命保険
資産運用型の生命保険は複合型の金融商品で自分が何の目的でその商品を買っているのかが分かっていない人がほとんどだと思います。
保険とは、不幸が起こった時に支払われる給付金のようなもので、宝くじが当たるとか、馬券が当たるといった良い事が起きた時に賞金が貰えるギャンブルと仕組みは一緒なんです。
生命保険も競馬や宝くじと同じゼロサムゲームであり保険期間内に不幸が起きないとそれまで支払った保険料が戻ってきません。
「保険」と「資産運用」という全く違う商品を合わせて売ることで保険会社は資産運用商品として手数料を上乗せして販売しているんです。複雑な料金体系により消費者が判断しにくくなっています。
投資をするうえでコストに目を向けることは必須項目です。国民の資産形成のために政府が用意した制度である「iDECO」や「NISA」はコストを下げる為絶対に利用しましょう。
マイホームを購入する本当のデメリット
資産運用の基本として「分散投資」という言葉をご存じでしょうか。
一つの投資商品に投資するのではなく、様々な投資先に投資することでリスクを分散することを言います。
マイホームは負債
マイホームは資産と勘違いされやすいですが、自分で住んでいるなら負債になります。一括の現金で購入しているならまだしも、レバレッジをかけた不動産投資ということになります。
というのは有名な格言です。
資産3分割法
ここでモダンポートフォリオ理論の「資産3分割法」を紹介します。
上記3つの投資先に「3分割して投資を行う」というものですが、不動産(マイホーム)だけ購入金額が2,000万円や3,000万円必要になります。ほとんどの人は同額の株式と債券を購入することは難しく、ポートフォリオ内で不動産だけ金額が高額になり大部分を占めてしまいます。
つまりリスクの高い投資に手を出しているということになるんです。
しかも不動産は簡単に売買ができないため、金融商品としては非常にリスクが高いと言えます。
マイホームを購入する際には、投資のバランスを崩すことが無いように運用できるか、十分注意して購入を検討してください。
以上3つの大きな注意点を紹介しましたが、投資初心者の個人投資家は長期でインデックス投資を積み立てて購入することが最適解だと言えます。